アジア語による多言語Web・ホームページをリリースしました

OSK海外展開サポートニュースをお送りします。
前回は、日本的なものの英文翻訳について、その特殊性、難しさについてお知らせしました。英語タイトル
ところで、他の言語については、どうでしょう。
私たちは、アジアの1員として育ち、アジアの政治・経済についてその重要性をよく語ります。
しかし、アジア各国の言葉については、難しさもあり、その学習には、尻込みしがちです。
そこで、せめてwebについては、何とかアジアの人たちの言葉で発信できる能力が身に付かないかということをOSKでは模索してきました。
一方、OSKの会員会社と共同で、国際通販を中小企業の皆さんに低額で提供・掲載支援ができないかということもまさぐってきました。
この、国際通販の掲載を実効あらしめるためのアジア語多言語Web何とか製作できる見込みが立ち、最近リリースしました。
現地語への翻訳は、OSKのメンバーが持つネットワークにより、各国に依頼しています。英語

いずれも、実業に携わっている人々の翻訳ですから、それなりの翻訳になっていると思います。

エピソード的なりますが、アジアの実業に携わる人たちの中には、いくつかの言葉を理解あるいは使用する人たちがいます。

                                                          英語版

タイ語に翻訳してくれた現地のパートナーは、日本語、英語、中国語を見て、彼らなりに最適だと思うレベルの翻訳をしてくれたそうです。
今回リリースしたものは、OSKがトライアルとして国際通販に登録している漆製品「乾漆器」を扱ったものです。  いろいろな意味で不十分な点があると思われますが、改善していきたいとメンバー全員が考え、注力しています。

なお、扱った言語は、日本語、英語、中国語(簡体語,繁体語)、ハングル語、タイ語、インドネシア語(マレー愚)、ベトナム語 です。

urlは、次の通りです。

http://k-globiz.com/kanshitsu2/index.html

中国  台湾  ハングル

中国語(簡体語)         中国語(繁体語)         ハングル語

タイ    ネシア    ベトナム

  タイ語               インドネシア語          ベトナム語

なお、中小企業の皆様への国際通販への登録サービスについては、何号か後でお知らせ致します。

OSKの活動については、Webを御参照下さい。

http://k-globiz.com/tetsu/

より日本的なものの翻訳について

OSK海外展開サポートニュースをお届けします。
既にお知らせしていますが、OSK海外展開サポートでは、各種の翻訳の支援を行っています。
とりわけ、日本的なものを翻訳することに努力を傾けています。
国の政策の支援あることから、いろいろな分野の人たちの世界への羽ばたきの力になればと考えています。
正直な話、私たちは、「翻訳」という言葉は、あまり使おうとしてはいません。
というのは、日本語から他の言語に変えると言うことは、文化、歴史を超えて、意図、情報を伝えると言うことですから、自ずから限界があります。
従って、ビジネスにおける翻訳というのは、他の言語を使用した営業ツール作成という位置づけをしています。
歴史が違い、風土が違う海外に向けて何とか翻訳、外国語化しようと注力している中で、信楽の陶芸クラブから依頼がありました。
この度、納入しましたが、お客様である「しがらき顕三陶芸倶楽部」のご了解を得ましたので、信楽焼のホームページの英文化についての経緯を説明させて頂きます。
ホームページは次のURLから参照ください。
http://www.tougei-kenzo.com/#!top-page/c151

なお、本件を担当した当専門部会の岸田副部会長の作業における印象を下記に記します。

sigaraki10001sigaraki10002

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

shigaraki20001

shigaraki20002正直言って、陶芸というものに全く関係したことがなかったので、
果たしてどういう事をどう表現するかに苦労しました。英語的には、インド人と共同して行いましたが、日本文化と日本人の心を外国人に伝えたいという陶房オーナーの思いをどう表現するかに気を配りました。作業、使う道具、その動き、配置などをイメージしながら英文化したわけですが、途中で大学の図書館へ行って陶芸に関する本で専門用語の内容を調べたり、最終段階で「しがらき顕三陶芸倶楽部」様のオーナーに作業内容等に関していくつかの質問をして確かめました。特筆したいと思うのは、「陶芸」「陶芸家」の英訳において、日本語としてもポピュラーなceramic art(セラミック・アート), ceramic artist(セラミック・アーティスト)という訳よりも、pottery art, pottery artistという訳を採用した点です。日本の陶工の手作り、巧みの世界、わび・さびに通じる素朴なイメージを出すためには、古英語pottを語源とするpotteryという語を使った方が適しているのではないかと判断したためです。最終的にオーナーの意向も確認して決めました。」

本専門部会は、このような難しい、翻訳(外国語化)に挑戦していきたいと考えています。
なお、費用等については、下記の通りです。
遠慮なく、ご用命ください。

mail adress:osk_info@k-globiz.com

honnyaku

 

osk海外サポートの概要・活動は、ホームページをご覧ください。
http://k-globiz.com/tetsu/

ネパールの教育支援と、将来のビジネスの可能性  OSK海外展開サポート

OSK海外展開サポートニュースをお送りします。

今回は、浦野真弓さんの投稿記事です。

浦野さんは、我々の仲間ですが、現役である会社に勤務をされておられるので、準会員の立場で協力をしていただいています。

以下は、彼女からのレポートです。

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数年前より、知人が関与しているNPO法人BFN(ブリッジ・フォー・ネパール)を通じ、サポート・ペアレントとして、一人のネパールの子供を支援している。

この団体が主に支援対象としているのは、ニューホライズンアカデミー・スクールという、キリスト教系の私立学校の生徒である。

ニュー・ホライズン・アカデミースクール(NHA)は、奉仕の精神により運営されている。NHAは、貧しいマチェガネパール地図ウン村(カトマンズ市の西部農村地域)の子供たちの教育のために、2001年に創設された。現在、 幼稚園から第10学年まで626名の生徒が学んでいる。

大半の生徒は、貧困層又は 極貧層の先住民の子供たちである。2008年4月に、ネパール政府から第10学年設置の認可が降りた。

ここで、ネパールの教育制度について触れると、ネパールの教育制度は小学校5年間、中学校3年間、高等学校2年間である。6歳で入学して16歳で高等学校卒業ということになる。公立学校と私立学校とがあり、公立小学校は5年生まで無料である。小学校から落第があり、進級するためには、校内学年終了テストに合格しなければならない。

進級の条件は、全科目で32点以上の成績で、出席率が75%以上でなければならない。 各学年の就学者数は、上級になるに従い減少し、10学年(高校2年)まで残るの、小学1年生入学者の10数%ほどである。減少率は、1学年から2学年に進級する時に最も多く、全体の半数近くの子供が1学年で退学しているデータがある。

近年、就学者数は順調に増加しているようであるが、高学年になるに従い減少する傾向は変わらない。実は、私は、途中で支援している子供が変更になったのだが、その最初の子供は、父親が病死して物価の高いカトマンズでは暮らせないとのことで、母親とともに、母親の実家に帰ってしまった。おそらく、何らかの労働につかざるを余儀なくされたのだろう。残念なことである。

ネパールの10学年修了生(全学年終了試験合格者)は、日本の高等学校教育修了に相当する。ネパール全国の学校は10学年を修了するとSLC(School Leaving Certification:中等教育修了資格)試験の受験資格が与えられる。

このSLC試験は、3月初めに全国一斉に統一問題で実施され高校卒業認定試験と大学(カレッジ)入学試験を兼ねている。SLC試験は8科目800点満点で、各科目32点以上、合計点256点以上で合格(pass)となる。 合計得点により次の4段階の区分評価が与えられる。 特等級: 640点(平均80点)以上、1等級: 639~480点(平 均79~60点)、2等級: 479~360点(平均59~45点)、合格級: 359~256点(平均44~32点)。SLC合格者には、カレッジ(学齢的には日本の高2、高3に相当)、更に続いて大学(学部、大学院)への高等教育 進学の道が開かれている。(合格率は古いデーターしか手元にないが、2002年で30パーセントあまり)

カレッジは、大学の前段階として専門コースに分かれ、SLC試験結果の上位から、科 学、工学、数学、英語、ビジネス(コンピュータ、ホテルマネジメント、社会科学)など多彩なコースがある。SLC試験結 果と面接でカレッジ入学となる。科学、工学コースは特等級、数学、英語コースは1等級以上の成績でないと入学でき ない。大学は、SLC試験とカレッジでの成績で決まる。大学 の人気の学部は医学部、工学部で、医学部は科学コースの 卒業生のみが受験でき、相当高い成績が要求される。

さて、前述のニュー・ニューホライズン・アカデミー・スクール(NHA)であるが、創立からまだ日が浅いというのに、なんと、SLC試験の合格率が私立の学校で全国トップとなってしまった。

喜ばしいことだが、ここで問題が起きてきた。せっかく、高等教育を受けても、それを生かせる職場が、ほとんどないというのだ。

そこで、今、NPO法人BFNでは、NHAの卒業生たちの受け皿となるビジネスを起こせないかと、いろいろ探っている。NHAでは、日本語の授業があり、昨年より、成績優秀な卒業生の日本留学が実現し、第一号の女子が来日した。さらに、今年第二号の男子が来日し、ともに近畿大学付属高校で学んでいる。彼らはそこを卒業後、日本の大学に進学予定である。

ネパールの産物等で日本人にとって魅力のあるものなんだろう。関係者の間で、あれこれ話をすると、一番は、やはり観光だろう。エベレストのトレッキング・ツアーがいいという意見が多いが、先日の遭難事故のように、なかなか自然相手は危機管理が大変である。その他、薬草がいろいろ取れるそうである。日本に入学している女子は、今のところ薬学希望とのことである。

また、コーヒーもとれるとのことで、お土産にいただいたコーヒーを、私の知り合いのコーヒー加工販売会社の社長に味見をしていただいたら、「焙煎から時間がたっているので、その分味は落ちしてるが、品質は悪くない。品質管理の指導をさせてもらえるなら、協力して、販売してもいい」との返事をいただいた。

まだまだ、関係者の夢の段階だが、せっかく、育てた人材が日本とネパールの良好なビジネス・パートナーとなるために、大いに役立ってくれればと期待してやまない。

また、個人的には、私が支援している子供も、どうか勉強をがんばって、その一翼をになって欲しい。

ネパール写真

(私のサポート・チャイルドと担任の先生)

ネパール連邦民主共和国 通称 ネパール

人口 2649万人(2011年) 首都 カトマンズ  言語 ネパール語

民族 パルバテ・ヒンドゥー、マガル、タルー、タマン、ネワール等

宗教 ヒンドゥー教徒(81.3%)、仏教徒(9.0%)、イスラム教徒(4.4%)他

通貨 ネパール・ルピー

(1ルピー=約1.00円(2013/2014年度当初6ヶ月間平均値、ネパール中央銀行)

2008年に王政を廃止し、連邦共和国に。

国旗は、世界で唯一の二重の三角  ネパール国旗

大阪府支援米国環境カンファレンス参加のご案内 

OSK海外展開サポートニュースをお送りします。

今回は、大阪府商工労働部が主催される米国でのカンファレンスへの参加の案内です。

一部の方は既にご存知ですが、我々、(社)大阪府産業支援型NPO協議会感慨展開専門部会は、大阪府商工労働部と連携し、その活動をより具体的な形で展開してまいりました。
その関係から、大阪府商工労働部主催の各種行事には、積極的に参加し、下支えをさせていただいております。
以下は、2015年1月下旬に米国ロスアンゼルスで開催されるカンファレンスへの参加への案内です。抜粋を紹介します。

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ヴェルデエクスチェンジ(VX2015 -VerdeXchange Conference)は、環境先進都市を目指すアメリカ・ロサンゼルスで開催される、環境政策・技術に関する最も影響力があるカンファレンスのひとつです。

前回は、政府関係者、市関係者や、公益企業、投資家、環境有識者、企業関係者等約640名が参加しました。今回も多数のVIPや意思決定層の出席が見込まれます。

本カンファレンスは、自動車産業の取組、再生可能エネルギー、水資源管理、排出権取引、グリーン・ビルディング、スマート・グリッド、廃棄物熱源転換、脱炭素化交通など、環境に関する幅広い話題について議論が展開されます。

現在、カリフォルニア州では、過去最悪といわれていた1977年を凌ぐ深刻な水不足の状況となっています。

2015年1月のカンファレンスにおいて、ジェトロ大阪本部は大阪府と共同で、大阪の企業が強みを持つ水関連技術分野(浄水、脱塩、貯水、地下水浄化、災害時供給対策等)を中心テーマに据え、日本企業を集めたプレゼンテーション・パネルディスカッションを企画します。また、会議場フロアには、参加企業一団体等による展示や資料配布によるPR展示コーナーを設け、府内企業の皆様にPR活動とネットワーキング・商談の機会を提供し、ビジネスチャンスの拡大を支援したいと考えています。是非、参加をご検討下さい。

【会期】2015年1月25日(日)~1月27日(火)

【会場】The LA.Hotel Downtown (米国カリフォルニア州・ロサンゼルス)

【主催】VerdeXchange Institute (環境ジンクタンクーNPO)

【参加対象分野】自動車産業、再生可能エネルギー、水資源管理、排出権取引、グリーン・ビルディング、スマート・グリッド、廃棄物熱源転換、脱炭素化交通など、幅広い環境分野が対象です。

今回は特に、深刻な干ばつに見舞われるカリフォルニア州の課題解決と大阪のポテンシャルとに鑑み、大阪が強みを持つ水関連技術分野(浄水、脱塩、貯水、地下水浄化、災害対策技術等)を中心テーマに据え、水関連企業を集めたプレゼンテーション・パネルディスカッションを企画し、展示コーナーを設けます。

【ウェブサイトURL】

http://www.verdexchange.org/conference/vx2015

在阪企業支援企画の主な内容

・カンファレンスへのエントリー <エントリー費用補助>

・商談サポート(アシスタントによる外国語商談補助含む)

・広報資料の作成支援、大阪企業展示コーナー広報資料への企業・製品情報の

掲載

・企業、業界団体、政府・公的機関などに対する広報活動

・主催者との連絡諸手続き、参加者パスの手配など

・在ロサンゼルス日本国総領事館によるVIPレセプション(予定)へのエントリー

主催:ジェトロ(日本貿易振興機構)大阪本部、大阪府

協力:大阪市、(公財)大阪産業振興機構、(公財)大阪市都市型産業振興センター海外展開支援プロジェクト(OBDI)

応募資格:(1)大阪府内に主たる事務所、営業所、支店等がある企業または団体で、在阪企業支援企画での参加に適当であるとジェトロおよび大阪府が認めるもの(2)本企画が対象とする環境関連の技術・製品などを有する府内企業(水関連技術分野の中小企業※を優先する)(3)商談成果アンケートに協力頂けること。

(4)必ずご担当者が現地参加頂けること

参加社数(予定):5社  ※最小催行社数 :3社/ 現地集合一現地解散

参 加 料: 30万円(1社2名でご参加の場合一不課税)

参加料はいかなる場合も返金できませんので、予めご了承下さい。

参加料に含まれるもの:

(1)大阪企業展示コーナー(1社あたりテーブル1つ) ※レイアウトはジェトロと大阪府の協議にて決定します。

(2)基本備品(テーブル、椅子、電源等)

(3)参加者パス

(4)商談支援のためのブース、外国語商談アシスタント(1社1名/ただし1社の専属ではない)

参加料に含まれないもの:

参加者の渡航・滞在費、広報資料一物品等の輸送・保険費用、ほか上記(1)~(4)以外の経費

詳細は、ちらしをご覧ください。

なお、OSK海外展開サポートの活動については、下記のHPを参照下さい。
http://k-globiz.com/tetsu/

 

 

大阪府1ー1大阪府2ー1

刀剣の輸出について  

OSK海外展開サポートニュースをお届けします。

今回は、刀剣の輸出についてです。

以下、本件を担当した我々の仲間、桜井事務局長からの報告です。

ある企業から、刀剣の輸出を手伝ってほしいとの依頼があり、輸出手続きと必要な証明書の取得を仲間うちと連携して行いました。

文化庁では、日本の文化財を保護するために「輸出品目が,国宝・重要文化財の指定及び重要美術品等認定物件に該当しないことを証明」を発行し、輸出許可を行っています。

それでは、輸出の手順をおってみましょう。

まず、文化庁 (Agency for Cultural Affairs) に電話をして、刀剣を輸出したいことを伝え、必要書類をFAXまたは郵送してもらいます。

詳しい手順が書かれた用紙と、申請用紙を送ってくれます (FAXでも送ってくれます)。

刀剣の輸出には 古美術品輸出鑑査証明が必要ですが、この申請に必要な書類としては、

次の通りです。

1.申請書 2通

輸出しようとする者の住所・氏名、受取人の住んでいる国、できれば詳しい住所、輸出港 (EMSで送る場合は東京国際郵便局となる) などを記入します。

2.輸出品目の写真等:2部

鞘と柄を取り外した刀身の全体写真(表と裏)の2枚

茎(なかご)部分の写真(表と裏)の2枚

写真のサイズはキャビネ版(縦127cm横178cm=2L版)以上のもの

A4の紙に二枚(表(上)と裏(下))の写真を貼る(かA4の表と裏の写真を印刷する)

申請写真は下記の様なものです。

刀1刀2刀3

3.銃砲刀剣類登録証(表面(おもて面))の写し:2部

4.申請者の委任状:1部

となっています。

これらを準備し、「鉄砲刀剣登録証」を添付して、上記の文化庁あてに持参するか、あるいは郵送します。

許可が下りたら、文化庁に直接取りに行ってもよいのですが、郵送で許可証を送ってもらいたい場合は、返送の分の郵便料金実費と配達記録郵便代210円を足した額の切手を同封しておきます。

 

文化庁の担当者は、申告されたものが輸出禁止品でないかを確認した後、「輸出許可証」を発行します。

(送った2部の申請書のうち1部に、輸出許可の判を押して返送してくれる。)

文化庁が申請書を受け取ってから許可が下りるまでに約2週間強かかります。

また、送った「鉄砲刀剣類登録証」は返してくれませんので、必要な方は、送る前にコピーを取っておくことをお勧めします。

 

輸出許可証が届いたら、刀剣を輸出します。

その際、輸出許可証を添付しなければならない場合もありますので、お使いになる輸送業者に事前に問い合わせるのがよいでしょう。

このように、輸出鑑査証明と輸出自体の複合技になると知っている人が減ってきます。幸いにも、わがOSK海外展開サポートには豊富な人材がおり、上記のような実務のお手伝いも行えますので、連絡していいただければできる限る対応します。

なお、OSK海外展開サポートの活動については、下記のHPを参照下さい。
http://k-globiz.com/tetsu/

 

英語が苦手でも海外展開はできる。 「中小企業の初めての国際取引の基本」

既報のとおり、10月29日、加古川プラザホテルに於いて、東播磨ビジネスマッチングフェアが開催されました。主催は、加古川市・兵庫県東播磨県民局・加古川商工会議所です。

このフ゜ロク゛ラムの中に「中小企業の海外展開支援セミナー」が計画され、OSK
海外展開サポートのメンバーが講師を務めました。今回は、その2回目として

英語が苦手でも海外展開はできる

「中小企業の初めての国際取引の基本」004

副部会長 岸田勝昭

について報告致します。概要は以下の通りです。

(当日の動画は、次:you-tubeをご覧ください)

✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩✩

モノづくり国際ビジネスには基本パターンがあります。

すなわち次のとおりです。

・日本⇒海外への輸出

・現地工場製品の現地販売(現地国内商取引)

・現地工場製品⇒日本への輸入

・海外協力メーカーOEM製品の輸入

・現地工場製品⇒第三国への輸出

・仲介貿易(三国間貿易)一日本の本社契約

・委託加工貿易etc.

それでは国際商取引とは、何を言うのでしょうか?

・国境を越えた異なる国の間の売買取引International Trade (国際貿易)です。

・リスクはあるが怖<はないビジネスです。

一成功するリスク/失敗するリスク

・異文化間の人間同士の商取引とも言えます。

国際貿易取引の基礎知識としては次のようなものがあります。inco

国際取引(貿易)に必要な3領域の基本的知識

  • 貿易実務知識:

交渉、国際運送、保険、外国為替、通関etc.

  • 国際商品知識:

競合商品、業界における位置づけ

  • 国際市場知識:

国・地域の特性、サプライ・チェイン、国際物流

また、流れから見るとこうなります。

貿易実務における3つの流れ

①モノの流れ(国際物流)

外航貨物船輸送・航空貨物輸送・EMS

②カネの流れ(商品代金の国際決済)

外国為替銀行

③カミの流れ(英文書類)

売買契約書・販売店契約書、商業送り状・運送書類・海上保険証券etc.

国際取引では、共通的な知識、条件が必要です。

それをインコタームズで定めています。

インコタームズ(Incoterms2010)とは?

・International Commercial Terms の略語

・国際商業会議所(本部パリ)が制定、世界中の商工会議所・商業会議所がメンバー。

  • 「貿易条件の解釈に関する国際規則」
  • 売主(輸出者等)→買主(輸入者等)への物品の引渡しに伴う役割分担(「売主の義務」vs.「買主の義務」)を規定
  • 売主→買主への危険(リスク)移転時期を規定010

【注意!】所有権の移転時期とは別!

  • 売主と買主の費用分担の分岐点を規定

インコタームズの代表的な貿易条件

  • EXW(EX Works)=工場渡(指定引渡地)
  • FOB(Free on Board)=本船渡(指定船積港)一本船船上に置かれた時危険が移転
  • CIF (Cost, Insurance and Freight)=運賃・保険料込(指定仕向港)
  • DDP(Delivered duty Paid)=関税持込渡(指定仕向地)条件:・売主(輸出者)にとり最大の義務!← 売主のリスクはEx Works条件より高 いが、サヤを稼げる余地も増加。・海外のフォワーダー(通関業者)と提携しているフォワーダー(国際物流会 社)に国際一貫輸送・輸入地での輸入 通関(輸入税支払)を委託すれば可能。

海外での展開を図ろうとすると市場状況を知るとか顧客を発見しなければなりません。

市場調査と取引先の発見の手段

・国内外の商工会議所・商業会議所の貿易相談窓口・資料の活用

・海外展開支援非営利法人の活用(低コスト一実務代行)‥・実務経験豊富な大手企業OB専門家

・ジェトロ(日本貿易振興機構)の貿易相談窓口/資料の活用

・在日外国大使館一領事館・公使館・州政府在日事務所等の商務官/資料の活用

・地方公共団体の窓口/資料の活用

・国内外国際見本市・展示会への出展・視察

・海外現地出張による直接調査一新規取引先開拓ワーク

・海外から来る新規取引申込みへの対応

・商社情報網の活用(商社経由の輸出入)

・アリババ(有料)、JETROのTTPP(無料)等のECサイト

海外展開には、いろんなリスクが伴うことは、誰もが知っていることです。

では、類別するとどんなリスクがあるのでしょう。

次のものが考えられます。

国際取引のおけるリスク回避・軽減策

・代金回収上のリスク⇒・L/C(銀行信用状)or工場渡し条件で現金決済

・取引信用保険の利用

・為替リスク⇒円建て契約or米ドル先物予約

・国際売買契約一国際販売代理店契約一国際販売店契約・秘密保持契約等の国際契約上の

リスク ⇒日本企業に適した英文モデル契約書の活用

・予期しない偶発的事故一大災害発生のリスク ⇒損害保険

・カントリー・リスク⇒Cofaceデータ等の利用

(独法)日本貿易保険の活用

各種の営業ツールのうちで海外展開には、英語を使ったモノを準備しないといけません

契約関係を周知した、あるいは取引を熟知した中小企業の海外展開活動における英文化が必要ですが、経験者からの支援が受けることが有効です。

・会社案内・製品カタログの英文化

・製品取扱説明書の英文化

・海外顧客候補一顧客とのE-メールレターによるコレポン(商業英語通信=business

correspondence in English)

・海外顧客との交渉同席一通訳⇒英文議事録

・売買契約書・販売(代理)店契約書・ライセン

ス契約書等の英文契約書ドラフト作成

・WEBサイトの英文化etc.

Γ翻訳よりも英文化」による中小企業の海外展開支援

  • 語句一文章の単なる翻訳で済まさない
  • 貿易取引の国際ルールに沿った英文化
  • 相手に訴えたい自社の意図一思い・背景を、英文でわかりやすく表現して伝える
  • 異文化の相手の思いvs.自文化の自社の思い

⇒どのように表現すれば共感を得られるか、気配りの英文化

初めて直面する異文化と外国語の問題については基本的心構えが必要です。

・国際ビジネスコミュニケーションは、異文化間コミュニケーションそのもの⇒コ ミュニケーションにより円滑な国際取引をはかる場⇒言葉(外国語、特に英語)

・海外拠点経営(海外工場、海外販売拠点)は異文化経営の場⇒人間同士の異文化接触・異文化受容の場

異文化の外国人との対面時・商談時の注意点

・下手な英語、片言の英語でもOK⇒情熱を込め、身振り手振りで、相手の目を良く見て、強弱を付けて、ゆっくり話す

・重要商談時に通訳者が必要な場合: 日本側が用意する日本人通訳者が望ましい ←通訳者との事前打合せ、守秘義務

おわりに

英語が苦手な企業でも海外展開は可能⇒

  • 単なる翻訳ではなく、貿易実務の基本、売り手、買い手双方の状況・背景、ビジネス

取引 内容を把握した上での英文化

  • Cultureの違いを受容し、相手との相互理解

、共感、ビジネスを成功させて共に喜びを分かち合うことを目指した英文化

  • 欧米人(特に米国人)の「直線型論理思考」 vs.「東洋人の渦巻き線型論理思考」に注意

英語が苦手でも中小企業の海外展開は不可能ではない

  • 外国語力よりも内容と強い情熱

⇒外国語が出来なくても、海外展開支援組織の経験豊富な支援専門員等が実務代行可能。

  • トップ同士の交流が海外販路開拓最大の武器

⇒社長が動けば相手の社長も動<!

  • 異文化理解の努力⇒異なった価値観の受容←グローバルビジネスに不可欠
  • 海外ビジネスの場で育成した若手人材⇒自社の将来(国内・海外)の強力な戦力

osk海外サポートの概要・活動は、ホームページをご覧ください。
http://k-globiz.com/tetsu/

<参考>

インコタームズ2010でのコスト負担者表(wikipediaより)

インコタームでの

中小企業の海外展開:計画的にグローバル展開に挑もう

(社)大阪府産業支援型NPO協議会海外展開専門部会です。東播磨

日頃のご支援、ありがとうございます。

OSK海外展開サポートのニュースをお送りします。

今回は、セミナーでの講演内容の報告です。

10月29日、加古川プラザホテルに於いて、東播磨ビジネスマッチングフェアが

開催されました。

主催は、加古川市・兵庫県東播磨県民局・加古川商工会議所です。

このプログラムの中に「中小企業の海外展開支援セミナー」が計画され、OSK海外展開サポートのメンバー2名が以下の通り、講師を務めまし東播磨1た。

1.中小企業の海外展開成功のために

「計画的にグローバル展開に挑もう」 部会長  米谷政勝

2.英語が苦手でも海外展開はできる

「中小企業の初めての国際取引の基本」 副部会長 岸田勝昭

今回は、その1回目として「計画的にグローバル展開に挑もう」について報告致します。概要は以下の通りです。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

中小企業の海外展開に限らず、これを行おうとすると、いくつかの注意点があります。

それは次の通りです。

「海外展開でのいくつかの注意点」

投資した資金の回収開始には1年以上かかる。

入金条件は、出来るだけ早い時点を。(前金・工場出荷がベスト)

手紙・mail ・ 打合せ覚えは、契約と同じ。

打合せは、必ず「打合せ覚え」を英文で作成し、署名し、交換。

契約書は、案をなるべく当方が作成。

契約書は、英文で。準拠法は、英国法で。

総代理店契約は注意をして。

所有権の移転タイミングとお金の流れは合わせる。

取引条件は、なるべく変えない。一つ覚えがベスト。

入金条件、納期、回答期限などはきっちり守る。求償されることあり。

利益は、累積益がある場合は、送金可能だが、外貨事情による。

適用工業規格には要注意

これを基礎に展開の手順は次のものが考えられます。

「海外展開の計画一実施の手順」

1。海外展開事業計画書の作成

2.自社の強さ・弱さの把握

3.対象市場と顧客の絞り込み

4.海外展開予算の準備

5.海外展開人材の準備

6.営業ツールの準備

7.対象市場への乗り込みとフォロー

事業計画の策定は手順の中では、一番重要ですが、次の様な枠組みで考えます。

「事業計画の策定」
当社の海外展開について:事業計画           株式会社○○
概要当社は創業○○年、○○をテーマとした○○のメーカーです。当社の現状の経営上の課題は、既存製
品の国内販売が人口減少等を受けて伸び悩みになって来ており、中国等を中心に海外展開を図ることです。
この状況の下、早急に下記の経営目標を設定し、これを達成する施策を展開する必要があります。
2年後総売上20億円輸出3億円   (現状 総売上15億円輸出0.1億円)
当社の海外展開の現状
一国別現状競合商品

①特徴(優位性)、
・今後の海外展開・現状解決すべき問題
目標市場での年次別売り上げ目標
輸出目標2億円
②価格(コスト)
・新商品展開・特定国での展開について一事業活動の主な歴史
目標    現状
既存市場・既存商品 0.5億円   0.1億円
新商品       1.5億円   -
・主要アクションplan(含むアイデア)・当社の遂行体制(含む外力利用)
・概算資金計画、投資回収計算、cashflow
・契約の主要内容
テリトリー、販売目標、違約ペナルティー、支払い条件等

次に重要なのは、cash flow です。

最初に述べましたように、回収には時間がかかります。

次に必要なことは、

海外人材の育成です。しばらくは、外力を使うことも有効です。

これらの準備と併行して必要なことは、営業ツールです。

これらの後、具体的に市場に入っていくこととなりますが、事前によく調査をして展

開することが重要です。

その他留意点は多くありますが、詳細は、動画をご覧ください。

osk海外サポートの概要・活動は、ホームページをご覧ください。

http://k-globiz.com/tetsu/

インド人から見た日本と日本人

インド国旗 先に案内した、ニホンテクノロジーのビジネスツアーの説明会が行われました。
その説明会で、同社、シバ女史より、発表のあった「インド人から見た日本と日本人」の内容が寄稿されました ので、紹介します。

なお、当日説明されたインド・ツアーについては、最下段に、プログラムの内容、申込用紙を掲載しております。

OSK海外展開サポートでも申し込みを受け付けております。
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インド人から見た日本と日本人

シバランジャニ私は、Nihon Technologyのシバランジャニと申します。
インドで、日本語を学び始めました。その後、日本語の教師も務めました。
現在は、転勤し、日本の事務所で勤務しています。7年間の滞在です。
インドにいて感じた、あるいは日本に生活して感じた、日本と日本人について、
思うままに述べたいと思います。

インド人から見た日本人
「評価できる点」
□時間の感覚
どのような日本の伝統あるいは道徳観から出て来ているのかは、わかりませんが、会議が始まる時間、友人と合う時間などを、日本の人は、正確に守ります。インドでは、これほど厳格に守られません。

□安全な国
日本では、都会では、夜でも、女性の1人歩きが多く見られます。インドでは、考えられないことです。夜間の行動は、男性でも危険があります。また、どこも静かです。

□丁寧・元気・勤勉な国民
日本では「おもてなし」と言う言葉があちこちで使われます。私たち、外国人が、例えば、道を尋ねても丁寧に教えて頂けます。お店でものを買うにもサービスが良く、丁寧に応対してくれます。日本に生活する外国人にとって、有り難いし、安心です。
また、長寿国ですが、お年寄りは、随分と健康で元気です。買い物をされているとき、散歩されているときの姿を多く見ますが、感心するほどの元気さです。更に、年齢を問わず、皆さん、勤勉だと感じます。自分の仕事に、誇りを持ち、波源でおられます。

□技術的に優れている
これは、世界のどこからも評価されている点ですから、多くを言う必要がありません。大企業から中小企業に至るまで、技術開発に熱心で、その結果、優れた技術力を持てていると思います。

「難しい点」
□言葉の壁がある
やはり、日本語は、外国人には、難しいと思います。それと、はっきりとは言わない、   インド国花

曖昧な部分があることがより難しく感じます。

□ベジタリアンには、食生活が難しい
インドには、ベジタリアンが多く、日本に来た際には、苦労をします。というのは、
一見、ベジタリアンには、問題ない様な食事でも、「だし」に鰹節の様な動物性のも
のが使われていることがあります。

2.インド人から見た日本人の性格
□非常にまじめ、論理的な人間
多くの人が非常にまじめです。また、仕事の上でも、個人的でも、論理的に考え、話す人が多いと感じます。

□本音(心の中)はなかなか言わない
ここは、難しい点です。本音を言わずに、逆を言うこともあります。

□意見・見方を変えることが難しい
一度持った意見を他人のアドバイスなどで買えるのは、難しいと思います。見方に至っては、もっと保守的です。

□変化に消極的
農耕的な経済が基本になってきているからでしょうか?変化が起きること、変化を起こす事に、消極的な感じがします。

ビジネス上
□愛社精神で、チームワークが得意
自分が属する組織、集団を非常に大切にし、チームで事を達成しようとする傾向を強く感じます。愛社精神のつようさにつながっていると思われます。

□完全主義
適当な点数、程度で良いと言う感じが見られません。すべて100点でないといけないという気持ちが強く見受けられます。
□細かい作業が得意
先の説明につながると思いますが、丁寧さが基礎にあるためか、細かい作業が得意に見えます。

□意思決定が遅い
チームワークの良さの反映か、意思決定が遅く、ビジネス・チャンスを逃すことがあるのではないかと、懸念することがあります。

□チーム内の作業分担がはっきりしていない
お互いに遠慮することから、チームリーダーもそれを細部までは決定しないことがあり、分担がはっきりせず、責任も曖昧になりやすい。

インド現場の声
日本人の仕事スタイルに感心したこと                             インド国鳥
□品質を一番大切に考える
品質維持には、異様な執着心さえ感じさえします。ものづくりの基本ですーーー。

□責任感が強い
責任分担の曖昧さを先に述べましたが、一度決まると、各人の責任感の強さは、大変です。

□ドキュメンテーションは完璧
多分、基礎教育、義務教育の徹底のせいでしょうか、文章を作る能力、纏める能力は非常に高いものがあります。

苦労したこと
□仕様書等の書き方があいまい
口頭説明とか、実績とか、継続取引とかがビジネス文化の基本の一部を構成しているせいか、仕様書等に曖昧さがのこり、後でその解決に力を要することが、よく見られる。

□労働時間が長すぎる
これは、この表題の通りですが、労働時間は長いです。

ビジネスカルチャーの違い
□挨拶の仕方
日本はお辞儀で、インドは握手

□返事スタイル
日本は納得しなくても「わかりました・はい」を 使う場合がある
インドの場合は「わかりました・はい・OK・Yes]=同感・納得

□契約内容の重要度:日本は契約書の内容及び相手との関係を重要視する。
インドはアメリカ・ヨーロッパのスタイルで、契約内容を重要視する

□席の位置
日本はオープンオフィススタイルが多いですが、インドはパーティションのある部屋が多いです。

コミュニケーション上のハードル・その対策
ことばが通じない ⇒ 窓口・通訳者を用意する
現地の商習慣がわからない ⇒ 現地のコンサルタントと提携する
インド独自の首の振り方で相手の反応がわからない ⇒ 話し中に、こちらより相手の意見を確認する

インドツアー内容インド参加申込書

特許の基礎を勉強しましょう。(3)    弁理士:小石川 由紀乃

今回は、我々のメンバー:弁理士の小石川さんからの投稿の3回目です。小石川さん写真

既報の通り、小石川さんは、「知財サポートルームささら」の代表を努めて

おられ、知的財産権に関する業務を行う専門部署をお持ちでない企業様の

知的財産活動をお手伝いされています。

「知財サポートルームささら」のホームページ: http://www.sasararoom.com/

海外での事業と特許

(3)知っておこう! 国際出願の制度

前回の記事で、各国の特許はそれぞれ他の国の特許とは独立したものとなる、という「特許独立の原

則」をご紹介しましたが、その原則に反するかのような「国際特許」ということばを見聞きすることがあり

ます。

国際特許という用語に、国際的に効力のある権利を取得できる制度があると思われている方がおられ

るのですが、そのような制度はありません。実際に存在するのは、特許協力条約(Patent Cooperation

Treatyを略してPCTと呼ばれます。)に基づき、この条約に加盟するすべての国に対する特許出願を

一つの手続きにより行うことができる、という制度です。日本、米国、中国、韓国、欧州各国などの主要

国を含む多数の国が加盟しています。

個々の国に直接に特許出願をする場合には、それぞれの国が指定する言語により国毎に手続きを

する必要がありますが、PCT国際出願では、母国語で作成した書類を自国の特許庁に提出すること

によって、条約に加盟するすべての国に対して特許出願が行われた、という取り扱いになります。

たとえば、日本人(日本企業)であれば、日本語による書類を日本国特許庁に提出することによって、

他のすべての加盟国(ただし北朝鮮を除く。)に特許出願をしたのと同じ効果が得られるのです。

特許協力条約(PCT)は、前回に紹介したパリ条約の特別取極(とりきめ)にあたるため、優先権

制度も適用されます。

PCT国際出願により各加盟国における出願の日を確保した後は、後で述べる期日までに特許の

取得を目指す国を絞り込み、絞り込んだ国に対し、国内法に基づく手続きに移行する手続き(「国内

移行」と呼ばれる手続き)を行います。この国内移行の段階で、移行する国の言語に翻訳した書類を

提出しなければなりませんので、結果的には、一カ国に対する手続きにかかる費用は直接に出願を

する場合と同程度になると思われます。

PCT国際出願の最初の手続きにも結構な費用がかかりますので、見方によっては、普通に国毎に

直接に手続きをした方が良いようにも思われます。実際、日本国での特許出願を完了してから1年

以内に特許出願が必要な国を絞り込めるのであれば、絞り込んだ国への直接の出願を選択する方

が、PCT国際出願を選択するよりも費用負担は少なくなると思われます。

しかし、事業を展開する国を1年以内に特定するのが難しいような場合には、PCT国際出願は有用

な手段となります。国際出願の日または優先権主張の基礎とした出願の日から30ケ月(2年半)が

経過するまで、国内移行の手続きをすることが認められているからです。

たとえば、日本国での最初の出願をPCT国際出願として実施すれば、その出願の日から2年半後

にあたる日までに国内移行の手続きをすれば良いことになります。また日本国で通常の特許出願を

し、1年後にその出願を基礎とする優先権を主張してPCT国際出願をした場合であれば、その国際

出願の日から1年半にあたる日までに国内移行の手続きをすれば良いことになります。つまり、各国

に直接に出願をする場合には、日本国への特許出願から1年間しか認められない検討の期間を大

きく延ばすことができるのです(以下に簡単な事例の図を示します。)。

事例2(PCT出願) (1)

期間内に手続きを完了することができるのであれば、各国への国内移行の手続きの足並みを揃える

必要もないので、事業を進めてゆくことが決まった国や重要度の高い国については、早めに国内移行

の手続きを進めることができます。また国内移行のタイミングをずらすことによって、資金繰りの調整が

しやすくなるかもしれません。

上記の図では省略しましたが、PCT国際出願には、出願された発明に対する先行技術を調査する

国際調査の制度や国際公開制度などの独自の制度があります。万一、国際調査において、出願した

発明にきわめて近い先行技術が見つかった場合には、それをもって国内移行を断念することができ、

無駄な費用をかけるのを防ぐことができます。

なお、日本国内での通常の特許出願を基礎とする優先権を主張して、この基礎出願と同内容のPCT

国際出願をする場合には、PCT国際出願の際に日本国の指定を外す手続きをして基礎出願を生か

すことができます。指定外しの手続きをしなかった場合には、一定の期間が経過した段階で基礎出願

は取り下げれたものとみなされてしまいますので、PCT国際出願から日本国への国内移行の手続きを

する必要が生じます。指定外しをする場合/しない場合のいずれにも、メリットとデメリットとがあります

ので、弁理士に依頼をした際によく説明をしてもらって判断して下さい。

特許の基礎を勉強しましょう。(2)    弁理士:小石川 由紀乃

osk海外展開サポートニュースをお送りします。

今回は、我々のメンバー:弁理士の小石川さんからの投稿の2回目です。小石川さん写真

既報の通り、小石川さんは、「知財サポートルームささら」の代表を努めて

おられ、知的財産権に関する業務を行う専門部署をお持ちでない企業様の

知的財産活動をお手伝いされています。

「知財サポートルームささら」のホームページ: http://www.sasararoom.com/

海外での事業と特許

日本において特許を取得するには、霞ヶ関にある特許庁に、発明を特定して「この発明を特許して

下さい」と申し出る手続きが必要です。この手続きを指して、「特許申請」と言われる方が非常に多い

のですが、正しくは「特許出願」と言います。

特許出願は、独占権を得たいと考える発明を記載した書類(特許請求の範囲)や当該発明の詳細な

説明書(明細書)などの書類を願書に添付して特許庁に提出することにより行われます。提出された

書類は特許庁内の専門職員(審査官)によって審査されますが、できるだけ権利範囲を広くしようと、

特許請求の範囲を広く設定するため、すんなり認めてもらえる場合よりも何らかの拒絶理由が通知

される場合の方が多いです。

拒絶理由を解消するために特許請求の範囲の内容が補正されるケースが多く、最終的に特許

されたときの特許請求の範囲が、独占権の範囲を示すものとなります。

日本以外の多くの国でも、同様の仕組みの法制度のもと、専門の官庁で特許出願の審査や

特許権の管理が行われています。いずれの国でも、それぞれ自国の法律やその法に従った

審査基準を適用して審査を行うので、同一の発明であっても、国によって判断が異なることがあります。

たとえば、A国では特許されたがB国では拒絶された・・ということがあります。また、A国でもB国

でも特許された、という場合でも、それぞれの最終の特許請求の範囲の内容が異なる状態になった、

つまり特許権の効力が及ぶ範囲が国によって異なるものになった、ということがあります。

このように、各国の特許はそれぞれ他の国の特許とは独立したものとなり(「特許独立の原則」と

呼ばれています。)、特許権の効力もそれぞれの国内でのみ有効となります(例外的に、欧州特許

のように、ある地域内の複数の国で有効になる広域特許があります。)。

したがって、技術開発により生み出された発明による事業を、日本のほか海外でも実施する、という

場合には、その実施をする国に対しても特許出願をする必要があります。

たとえば、発明が適用された製品の生産は日本でのみ行うが、出来上がった製品を米国に輸出する、

という場合には、日本のほか、販売地である米国にも特許出願をする必要があります。また、中国の

工場で製品を生産し、出来上がった製品を日本に輸入して販売する、という場合には、日本のほか、

生産拠点がある中国にも特許出願をする必要があります。仮に、海外での販売や生産には直接

タッチしないという場合であっても、契約した事業者以外の企業に発明が実施された場合に対抗

するには、それぞれの国に特許出願をして、特許の取得を目指す必要があります。

ただし、「特許出願をする必要がある」というのは、あくまでも原則論です。

海外での特許出願をするには、その出願国の言語で手続きをする必要がありますので、書類を

翻訳せねばならず、現地の代理人(弁理士)に手続きを依頼しなければならず、日本国の弁理士

にも現地代理人との折衝を依頼しなければなりません。このため、どうしても多額の費用がかかり

ますので、海外のマーケットの規模や今後の事業がどの程度拡大してゆくかの予測などをふまえて、

特許出願をするメリットがあるかどうかを判断する必要があると思います。

この場合、少なくとも一カ国(通常は日本)に特許出願をしておけば、上記の判断をする時期を少し

先に延ばすことができます。普通に特許出願をする場合には、国内外に関わらず、発明を公開する

より前に出願手続きを完了する必要がありますが、その条件を満たす特許出願を日本国でして

おけば、海外については、「優先権」と呼ばれる権利を主張することにより、日本国での出願から

1年後まで、出願の時期を延ばすことが可能になるのです。

優先権の制度は、パリ条約という国際条約で定められています。ちなみに、パリ条約では、先に

述べた特許独立の原則や、内国民待遇の原則(同盟国の国民に対し、自国の国民と同等の保護

や法律上の救済を保障するというもの)も定められています。

優先権の主張を伴う特許出願(以下「優先権主張出願」といいます。)は、優先権の基礎となった

特許出願の日(優先権主張日)に出願されたものとして取り扱われますので、優先権主張日から

優先権主張出願の日までの間に発明が公開された場合でも、その公開により不利益をこうむる

ことがありません。

たとえば、日本で特許出願をした後に、出願した発明を適用した事業を国内または海外で行った

としても、今後も事業を行う予定の国に、優先権主張日から1年以内に優先権主張出願をすれば、

発明が公開されたことによる影響を受けずに審査をしてもらえるのです

(下記の事例をご参照下さい。)。

特許期間

 

 

日本での発明の実施に目を付けた第三者が海外で模倣をした場合でも、その模倣行為が発生した

国に優先権の主張を伴う特許出願をして特許を取得すれば、模倣行為を差し止めることが可能に

なります。優先権主張日から優先権主張出願が行われるまでの間に他人により同一の発明が出願

されたとしても、その出願によって優先権主張出願が拒絶されてしまうこともありません。

ただ、1年という期間は結構短く、海外での事業展開の目安をつけるには不十分だ、という場合も

あり得ることでしょう。その場合に使える別の手について、次回にご紹介します。